2015年春、河原町松原にオープンするや、洗練された空間や宿泊者以外も利用できる開放的なラウンジが話題になりました。雑誌などで見るに、実にスタイリッシュ。
正直、個人的には「Mac片手に世界中を旅してるような意識高い系の方々が集うんでしょ……敷居も高いわ……」と思ってましたスミマセン。今回、取材で初めて訪ねてみて、勝手な思い込みでこれまで足を向けなかった己を責める結果に。
居心地いいじゃないですか!
5階建てのビルを改装し、2〜5階は4タイプの客室があるゲストハウス。そして1階はフロント兼ラウンジで、カフェやバーとして営業しています。
河原町通に面した入口側は全面ガラス張りで店内の様子が見えるため、通りすがりでもふらっと入りやすい雰囲気。
通りに臨むカウンター席、大テーブルやソファ席、そしてスタンディングと揃うので、過ごし方はお好みに合わせて、というのが嬉しい。
「いろんな人が気軽に入ってこれるような空間を作りたかったんです。外国人も地元の人もみんな。そして、気を張らずにクラフトビールやカクテルを楽しんでもらいたいなって」
とバーチーフの目黒 健さん。
クラフトビールが飲めるバータイムは17時からで、常時3種類がオンタップ。 「特に海外からのお客様は、この土地のものを飲みたいと思われるはずなので」と国産ビールで揃え、そのうち1タップは必ず『京都醸造』のビールを扱うのだそう。
さらにもう1タップはなんとオリジナルのクラフトビール!
『ベアードブルーイング』とのコラボで生まれた「バンクベッドセッションIPA」は、さまざまな人種が集まるゲストハウスにちなんで、イギリスのモルトとドイツのサワーモルト、ホップはドイツ、ニュージーランド、アメリカ、信州のもの、そして小麦は国産と、原料も思いっきりミクスチュア。
目黒さん曰く「何杯でも飲めるクラフトビールを造ろうというのが狙いでした。例えば、ここで出会った人たちと乾杯を重ねる時に、『もう一杯アレを!』と言ってもらえるような」。
飲んでみると、IPAの名からは意外なほどに軽やかな飲み口にちょっとびっくり。柑橘系の香りがふわっときた後にほろ苦さが少〜しずつ感じられて「あら、おいしい」と思う頃にはスッと余韻がキレている。おもしろいなぁ、このビール。確かに飲み飽きない感じですね。
樽生ビールのほか、各国のボトルビールも約20種類揃います。 ジューシーでグラッシー(青々しい草っぽい)な「ソウルスタイルIPA」や、モルトの豊かな甘味が楽しめる「レッドトローリーエール」、そして650mlと大容量でチョコレートのような風味が特徴の「スタンブラーズスタウト」などといった個性派も。
さらに、おつまみや前菜からステーキなどのメイン料理まで、ビールをさらに旨くするフードも充実。
日替わりの前菜盛り合わせ600円はハーフでもこの盛りのよさ! 切り干し大根のタイ風サラダと鶏レバームースが隣り合わせなんて具合にこちらでも国境を越えた共演が見られます。
自家製オニオンソースを添えた牛ランプ肉のステーキ1200円(部位は日替わり)も食べ応えあり。ボリューミーな料理は仲良くなった人とシェアするのもおすすめ。
お酒や料理のオーダーはすべてカウンターにてキャッシュオン(いわゆるスタバ形式)。
待っている間に並んでいる人と会話が生まれやすいようにと、このスタイルになったのだそう。相席が多めの客席といい、自然に交流ができるようになっているのですね。
おいしいビールだけでなく出会いも楽しめるのがこの空間の醍醐味!